飽和市場ともいえるイヤホン市場に、新たに参入してきた「Shenzhen Houshuxia Technology Co., Ltd」こと『ACEFAST』。
今回はその『ACEFAST』ブランドの廉価TWSイヤホン、「ACEFAST T1」をご提供いただいたので、レビューしていきます。
Contents
ACEFAST T1 ワイヤレスイヤホン インプレッション
『ACEFAST』ブランドは、前述の通り中国は「Shenzhen Houshuxia Technology Co., Ltd」のスマートデバイスを扱うブランドです。
2020年設立とまだ歴史も浅く、日本参入もごく最近。イヤホンだけでなく、ワイヤレス、車載、コンセント型の各種充電器、パワーバンクやホルダー、ケーブルなどのモバイルアクセサリーなどがあります。
すでに「T3」、「T2」といった上位互換モデルがあり、今回の「T1」は同社で一番廉価モデルとなります。
「ACEFAST T1」は、
- 安価で防水耐性のある利便性に優れた装着感良好モデル
です。
ACCコーデック対応なので、遅延はなく接続も安定しています。これから3,000円未満で外れにくいTWSイヤホンを探しているなら、普通にオススメできるイヤホンです。
スペック紹介
ACEFAST T1 True wireless stereo headset | |
MODEL | T1 |
---|---|
カラー | ブラック |
素材 | ABS樹脂 |
イヤホンタイプ | カナル型 |
チップセット | PixArt 1623 |
Bluetooth規格 | Bluetooth5.0 |
対応コーデック | SBC, ACC |
連続再生時間 | 4-5時間(充電ケース併用25時間) |
充電時間 | イヤホン:1.5時間 ケース:2.5時間 |
防水性 | IPX6※イヤホン部のみ |
重量 | 43g※ケース34g+イヤホン合計9g、実測値 |
寸法 | 60.0*49.0*26mm※ケース |
製品の特徴・概要
特徴は、
- ENC技術搭載による雑音の低減
- 接続安定性、低遅延のBluetooth5.0採用
- イヤホン単体で5時間再生可能※ケース込みで約25時間
- ぴったりフィットする傾斜角15°の装着感
- IPX6の防水耐性
正直目新しさはなく、スペック自体は凡庸そのものともいえるかもしれません。既に同価格帯では差別化するのが難しく、似たようなスペックになりがちです。
音質はソコソコよく、接続安定性も問題なし。駆動時間も充分で防水耐性により使用場所も選びません。
筆者的に評価したいポイントは、上記特徴の4。
かれこれ数多あるイヤホンをレビューしてきた中で、(装着時の)フィット感&疲労感に悩まされていたため、本製品はその点においておすすめできます。
安価で気楽に使えるTWSを探しているなら「ACEFAST T1」を試してみてはいかがでしょうか。
- 低価格ながらあるまとまりのある音質
- 遮音性を保ちつつ外部の音も聞こえる
- 激しい運動でも落ちない装着感
- 音量調節をイヤホン操作できない
- 凡庸で買い替えの決定打は低め
ACEFAST T1 ワイヤレスイヤホン 実機レビュー・評価・感想
技適証明は下記の通り。
最近は中華新興企業も虚偽ではなく、当たり前のように技適認証を受けてくれているので安心して使えますが、今後リリースされるであろう製品含め、ACEFASTブランドも問題なく利用できます。
では、レビューに移ります。
化粧箱・パッケージ
化粧箱はブランドカラーである、深みのあるモスグリーンをアクセントに白を基調としています。
記載は全て英語表記となっているため、恐らく日本仕様というわけではなく、販路問わず共通。
化粧箱自体にチープさはなく、頑丈な箱にピッタリと収められていますが、梱包資材もたっぷり用いられています。
公式のパッケージと少し異なりますが、Amazonで購入した場合は、先の画像の通りコンパクトにまとめられています。
【パッケージ内容】
- 充電ケース(MTA26) × 1
- イヤーバッズ × 1セット
- イヤーピース(S/M/L) × 各1
- USB Type-Cケーブル × 1
- ユーザーマニュアル × 1
取説は日本語にも対応したマルチリンガル仕様です。
筐体・デザイン
イヤホン
筐体は全体的に樹脂感が強く、軽量に仕上がっています。
イヤホン自体にファンクションボタンやブランドロゴはなく、タッチの際わかりやすいよう接触部分のみ、ヘアラインのような加工が施されています。
因みに、本製品はインナーイヤー型のようにも見えますが、AirPods Proなどと同じくカナル型です。※厳密にはAirPods Proはインナーイヤーらしいですが…
筐体内側にL/Rの刻印があり、左右の確認はし易そうです。
左右刻印の隣には、ENCのための騒音集音用マイクの穴でしょうか。
ショップページや公式によると、上部のLED部分がノイキャン用マイクとのことですが、一方はもしかしたら背圧コントロール用かもしれません。
また、少し見づらいですがイヤホンのボトム先端付近にも集音用マイクが配置されています。
充電時接触面の金属は底面に配置されており、ケースには差し込んで収納するタイプです。
画像はイヤーピースを外した状態ですが、ノズル先端部分は金属が用いられているようです。
充電ケース(MTA26)
充電ケースは前面にブランドロゴとステータス確認用のLED、底面にUSB端子がある比較的よく見るデザインです。
マット仕上げにはなっているものの、やや光沢感がありチープな印象は否めません。
マグネットの蓋内側に仕様や各種認証が印字されています。画像でもわかるように、ケースの型番は「MTA26」。
400mAh容量の充電ケースですが、充分小型でうなずけるサイズ感に設計されています。
開閉はマグネット仕様で適度な強さ。ただ磁力は決して弱くはないので、戻る力はそれなりで、閉める際は“パチッ”としっかり音が出ます。
樹脂なので開閉頻度にもより少し気を付けて閉めた方がよさそうです。
重量はイヤホンとセットで43g。公式では42gとなっていますが、誤差範囲ともいえるでしょう。
小型&軽量設計なので、携帯性は高いと言えそうです。
以前レビューした「SOUNDPEATS Air3」は、更に小型で軽量。
その分トータルの駆動時間を犠牲にしていますが、とにかくコンパクトに収めたいならコチラもオススメです。
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ACEFAST T1 ワイヤレスイヤホン 使用感
没入感が味わえる価格以上のバランスが取れた音質と接続安定性
この価格でこの音質なら満足度は高いと思います。ドンシャリ感やひどくぼわついた印象はなく、各音域適度にチューニングされています。
高音域はクリアで、中域はややオーバー気味な印象はあるものの、不自然さはありません。廉価モデル特有の低音でごまかしておらず、音量も大きめに設定されています。
楽曲によっては、最大音量まで上げると耳がヤラれそうになるので注意。後述しますが、音量調節機能が備わっていない(プレーヤー側で操作)ため、お子さんが使用する際などは特に気を付けた方がよさそうです。
ハイエンド機に比べれば、当然控えめの奥行き。解像度は価格相応ともいえますが、充分許容範囲内で個人的には価格以上だと感じます。
コーデックはSBC/AACなので、音ズレや遅延はほぼ感じません。映画視聴やゲームで試してみましたが、シビアにとらえなければ問題なく使えます。
マイク音質は静かな場所であれば問題なし。
ただ喧騒の中では外部の音をしっかり拾い、相手側にも聞こえます。こちら側の音はクリアで問題なく聞き取れますが、相手側は騒音が混じって聞き取りづらいようです。
Bluetooth5.0ということだけあって、接続安定性は担保されています。
雑踏の中では試していませんが、部屋2つ分隔離した状態でも途切れることなく使用できました。
※確認!
音質はデバイスの搭載チップや使用している音楽ソフトなど、環境、端末によって全く異なります。また、デバイスとの相性や趣向性、聴き手の好みにも左右されます。
当サイトでは、複数の端末でチェックしていますが、エージングまではしていません。10時間程度の視聴ですので、あらかじめご了承ください。(しばらく使って変化があれば追記します!)
エクササイズにもってこいのフィット感
本機を個人的に一番評価したいポイントは、装着感。
耳の出っ張っている部分(耳介と呼ばれる部分)にイヤホンのパーツをひっかけて装着する、かつて“うどん”と揶揄された某リンゴポッズと形状は似ていますが、「ACEFAST T1」はカナル型イヤホンです(現行proはうどんっぽさなくなりましたけどねw)。
カナル型に加え、引っかかる部分が耳にピッタリとフィットしてくれるおかげで、運動しているときでもまず抜け落ちる心配はありません。少なくとも、これまでレビューしてきたモデルの中でも一二を争うフィット感です。
S/M/L各種イヤーピースが付属していることも装着感に貢献しています。
しかしカナル型にしては遮音性は低め。音漏れだけでなく、外部の音も比較的聞こえます。
通勤通学時など音漏れには注意したいところですが、ジョギング等安全面を考慮した場合、外部の音もある程度聞こえる方が都合がいいシチュエーションもあります。
遮音性が低いとはいえ、インナーイヤーに比べ没入感は充分期待できるので、エクササイズ中心に利用するのが最適なイヤホンと言えそうです。
気になった点・注意したほうがいい点
気になったのは、
- イヤホンにて音量調節不可
なこと、この一点に尽きます。
操作方法を各ブランド統一して欲しいと常々思っていますが、通常はタップ回数やタッチ秒数などが主流です。
「ACEFAST T1」も当然そのシステムを採用しているものの、音量調節機能がイヤホン本体に備わっていません。
常にプレーヤー側で操作する必要があります。
SiriやGoogleアシスタント、Alexaといった音声認識には対応しているので、厳密に言えばプレーヤーに触れずとも音量調節は可能です。
もう少し踏み込んで言うと「ACEFAST T1」は、音声認識だけでなくそれぞれのイヤホンを独立して使用可能で、マルチペアリング対応モデルです。
ただどちらかというと必要最低限の機能のみで、いたって標準的で突出した機能は搭載されていません。
装着検出機能やマルチポイント、Google Fast Pair等は当然非対応。ケースの蓋を開けたら接続といった機能もなく、ある意味クラシカルなスペックです。
フィット感もべた褒めしましたが、廉価中華モデルがひしめくイヤホン市場。恐らく同価格帯でも、同じような装着感(設計)のものはごまんとあるハズです。
既にBluetooth5.0の廉価イヤホンを持っているならわざわざ買い替える必要はありませんが、初めてのTWSとか、エクササイズ専用など、条件付きなら試してみる価値ありです。
ACEFAST T1 ワイヤレスイヤホン 総合評価
音質は同価格帯と比べ抜きんでてるというわけではありませんが、それでも明瞭サウンドで、カナル型らしい没入感を味わえます。
「T1」はACEFASTの中のエントリーモデル。実際に使用してみて比較的満足度は高かったので、同ブランドの上位互換機種も試してみたくなりました。
公式Twitter他、タイミングが合えばクーポン等も発行しています。
まだまだ知名度は低いですが、格安でソコソコ音質イヤホンの選択肢の一つにしてみてはいかがでしょうか。
【総合評価】 | |
製品名 | ACEFAST T1 |
総合おすすめ度 | 3.7 |