周知の通り、日本は釣り具メーカーに恵まれています。
一部海外メーカー(ブランド)はあるにせよ、ロッドやリール、ウェア、細かいものに至るまで、バラエティに富んだハイクオリティな製品を選ぶことが可能です。
ですがやはり、
国産メーカーは全体的に高い。
ハイエンドともなれば数万円はくだらないですし、だからと言ってエントリーモデルではそれなりの性能となってしまいます。
国産メーカーは、エントリーモデルでさえも高水準な品質のものが多いですが、中途半端なモデルを購入するならいっそのこと、安価な海外製モデルでしばらく我慢するのもひとつの手です。
今回は、(恐らく)中華ブランドのひとつ、「LIEYUWANG」というブランドのスピニングリール(「HC1000」)のレビューをしていきます。
Contents
LIEYUWANG 13 + 1BB HC1000 インプレッション
「LIEYUWANG」とは言っているものの、Banggoodでは「ZANLURE」というブランド名です。
また、Aliexpressでも同一製品の取り扱いがあり、同一ブランド(「LIEYUWANG」)として、多くのサプライヤーから販売されています。
多少金額に違いはありますが、番手は1000~7000まで。価格は最安値で約600円、最高値でも2,000円もあれば(7000番台)購入できます。
簡単に言うと、釣具屋のワゴンに入っているような安物リールですw
グローバル向けに大量生産されているブランド(例えば「okuma(オクマ)」)なんかも安い割にバカにならないんですよね。
本製品も同じく、ダイワやシマノの最下位モデル、リバティクラブやアリビオより、
ガタツキが少なく、ずっと安価で使い勝手がいい
のが魅力です。
スペック紹介
LIEYUWANG 14BB スピニングリール HC1000 | |
ブランド | LIEYUWANG |
モデル | HC1000-7000 |
カラー | ホワイト |
材質 | 本体: ハンドル:金属/EVA |
ギア比 ※以下HC1000 |
5.2:1 |
ラインキャパシティ | 2#/120m |
サイズ | W10 * L10.0 * H11cm |
本体重量 | 180g |
※ショップページから抜粋
製品の特徴・概要
以前、中華製のタックルを紹介したことがあります。
関連中華激安フィッシングタックル「TOMSHOO スピニングロッド」「Lixada スピニングリール」製品レビュー
上記リンク先のモデルは「Lixada」として紹介していますが、今回のブランド、「LIEYUWANG」として販売されていたり、他ブランドとして販売されていたりします。
全くの同一商品が、様々なブランド名で市場にあふれていることは、もはや周知されているハズ。中国はOEM(と言っても無名ブランドに適当なブランドを載せて販売しているだけの場合も多い)が盛んですからね。
中には全くの同一商品もあるウキ!
個人的に購入するに至った理由は“見た目”です。
どのショップページを見ても同じことしか書いておらず、製品の詳細については今一つ不明。一部動画もありましたが、残念ならながら細かい情報はわかりませんでした。
わかっているのは、ギア比が5.2:1(別のショップでは5.1:1)と、ノーマル仕様で汎用性が高くなっていることと、ラインキャパとサイズ・重量ぐらいです。
また、ベアリング数は14BB(13 + 1BB)をうたってはいるものの、やや信ぴょう性に欠けます。
というのも、同じく中華ECサイトのGearBestでも本製品の取り扱いがかつてあり、そこによればTrue 6 + 1BBと記載されています。
ばらしたわけではないのでわかりませんが、低品質な樹脂ベアリングを多用しているかもしれません。
ですが、結局のところ釣り具は使ってみなければわかりません。
もちろん目安にはなりますが、いくら店頭で“シルキーな巻き心地”なんて思ってみても、いざ釣りをしてみると、巻き心地が思っていたより重かったり、ライントラブルが頻発したり、ドラグがイマイチだったり、ガタツキが気になったり、少なからず不満は出てくるものです。
ただ、中華製リールや海外製リールを検討するなら、
- 品質に多少妥協できる
- 国産より失敗のリスク高め
- 失敗したとしても諦められる
このあたりは最低限覚悟が必要です。
というわけで、今回の「LIEYUWANG 13 + 1BB HC1000」はそんな面白さを得るのに最適なモデルではないでしょうか。
※上記商品とは異なります
- 安いわりに比較的しっかりした作り
- 1000-7000番を網羅する高い汎用性
- 安ければ1000円以下も
- 品質・耐久性への懸念
- どこまで使えるか全くの未知数
LIE YU WANG HC1000 実機レビュー・評価・感想
リールは番手があるぐらいで、ソルトウォーター、フレッシュウォーターでそこまで区別されてませんが、ロッドをはじめとしたフィッシングギアは、魚種ごとにあらゆる釣りに細分化され過ぎています。
そのため、内需のみではそこまでマーケットが大きくなく、高価格になるのも頷けます。
対してグローバルブラントはじめ、チャイナプロダクトはいわずもがなとにかく安い。
経験上、アタリハズレはあるものの、アタリを引けばかなりコスパの高い製品があったりします。この宝探し感がたまらないんですよね。
それでは、詳細レビューに移っていきます。
化粧箱・パッケージ
安定の箱潰れ…。にしてもこれはひどくないですかね…。航空会社ならびに配送会社というより、ショップの梱包のずさんさが露呈されますね(いつもですけど)。
安いとはいえ、リールもそれなりに精密なので梱包にもう少し気を使ってもらいたいものです。
ポーチ付きですが、ブランド名などの記載はなく、言ってしまえばただの巾着袋が付属。
また、おそらく在庫処分品なのか、取説すら入っていませんでした。
筐体・デザイン
強度や耐久性は使用してみてのお楽しみですが、ざっと見まわしたところ価格としては及第点(むしろ満足)。
ただ、残念ながらというかやはりというべきか、ちょっとした作りの雑さ(ネジ締めがいくつかあまい)や、かすり傷などがいくつかありました。
ボディ装飾部分、メッキ加工なのか金属なのかわかりませんが、最初から表面が傷というか剥離しています。
スプール、ドラグノブ、ハンドル、ラインローラーなど、かみ合わせや滑りなど簡単にひと通りチェックしています。
ざっと見て触った感じでは、目立って気になった部分は特にありません。
ハンドルはもちろん、左右変更可能です。
巻き心地は正直重め。お世辞にもシルキーとは言えません。
しかしながら「ダイワ リバティクラブ」や「シマノ アリビオ」よろしく、ストッパー使用時などの、安物特有のガタツキはほとんどありません。
広告
LIE YU WANG HC1000 使用感レビュー
1号のナイロンライン(100均)を100mほど巻いてみました。
キャスティングは不満ナシ。使用ラインにもよるとおもいますが、ライントラブルもなく普通に使用できます。
安定したリトリーブも可能なので、いつも通り問題なく魚をキャッチできました。
因みに上記は、今回のリールを用いてスプーンで釣った虹鱒です。
この魚ではドラグを使う機会はありませんでしたが、もう一匹ではドラグも効いてくれましたし、手返しを重視する渓流では、サイズ感、剛性などちょうどいいバランスです。
使用スプーンレビュー
そしてこちらは、ミノーをトゥイッチして釣ったアマゴです。
細かいトゥイッチングにも、ガタツキなく自然なアクションを与えられるため、源流釣行ではメインとして使っていこうと思います。
動画紹介
上記ニジマスをゲットした際の動画を作っておいたので、合わせてチェックしてみてください(ほんの少しリールの解説もしています)。
気になった点・注意したほうがいい点
今回気になったのは1点のみ。やはり、
大物がかかった際対応できるのか
これに尽きます。
現状本リール(HC1000)を用いて釣った魚のサイズはせいぜい尺サイズ。40、50cmの魚とどこまでやりとりできるかやや不安です。
とはいえこれはなるようにしかならない(ロッドやラインに依存する部分も大きいため)ので、結果が出次第追記します。
LIEYUWANG 13 + 1BB HC1000 総合評価
アングラーならご理解いただけると思いますが、タックルは高ければ釣れるというわけでは決してありません。
テクニックは当然のことながら、運も大いに必要です。
小学生から続けている釣りも、一時期はブランドやモノにこだわりましたがある時を境にあまり意味がないと思うようになりました。
今回の「LIEYUWANG製リール」は、数ある中華リールの中でも、比較的アタリではないかと思います。今後も大いに活躍してくれるはずです!(楽しみ)
※上記商品とは異なります
【総合評価】 | |
製品名 | LIEYUWANG 13 + 1BB ( True 6 + 1BB ) Spinning Fishing Reel |
総合おすすめ度 | 4.6 |